趣味と人生の豊かさの関係 趣味探求シリーズ♯1 スキーの世界をのぞいてみよう!

こんにちは。GSAの山田です。お正月休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。私は年末年始に8日間ほど、冬のライフワークであるスキートレーニングをしてきました。GSAにはスキーをされる方も多数いらしていただいています。

冬山は真っ白な雪の世界と、ゲレンデをとり囲む静寂深閑とした森、そして遠方には気高くそびえ立つアルプス連峰が見渡せ、その美しい景色は私たちに特別な時間を与えてくれます。そんな景色の中で、雪と一体になりながら楽しめるスキーは、冬の最高のスポーツ。滑っているときは、何もかも忘れて完全にリセットできる時間になります。

未知の趣味をのぞいてみることは、世界が広がるきっかけになるはずです。今回は趣味を深掘りするシリーズとして、レジャーとは異なるスキーの世界について、少しご紹介してみようかと思います。

スキーにはいろいろな世界がある

スキーをやったことのある人は意外と多く、日本のスノースポーツ人口は約650万人。競技人口としてはかなり多いスポーツです。およそ95%の方はレジャースキーヤーで、旅行のアクティビティーとしてスキーを楽しんでいます。また、学校のスキー合宿などでスキーを経験したという人もこれに入ります。スキー場に隣接したいいホテルに泊まって家族で特別な時間を過ごしたり、恋人と高級なスノーリゾートで楽しんだりする人も少なくないですよね。そうした人にとって、スキーはある種特別な「非日常の時間」です。

一方で、アルペンレースやクロスカントリーなどのノルディックといった競技、基礎スキー検定や大会への出場など、アスリートとしてスキーに取り組んでいる人が残りの5%です。こういう人にとって、スキーは冬のルーティーンなので、日常のスポーツにほかなりません。スキーは雪がある時期限定のスポーツですが、私の場合は毎年40日から50日ほどゲレンデにいます。

アルペンやノルディックなどの競技スキーをしている人は、やはりスキー場が身近にある長野や新潟などの雪国出身の人が多いようです。彼らは子どもの頃から毎日のように近くのゲレンデに出てトレーニングをしています。

また東京など、雪国以外に住んでいる人で、本格的にスキーに取り組んでいる人たちも沢山います。この人たちの多くは、タイムや距離を競う競技ではなく、主に技術面の上達を目的にした基礎スキーのカテゴリーに属する人が多いです。

東京に住んでいても、ほぼ毎週末、東京と長野や新潟を往復しています。私も冬が来ると毎年5月半ばまではそんな生活が続きますが、これはレジャースキーとはちょっと違う世界になります。この世界が多くの人を強烈な惹きつけて離さない、奥の深い沼なのです。

スキーの本当の面白さ

スキーは初めて体験する人でも、雪の上を滑るという独特の感覚が新鮮で、初めからとても楽しいスポーツです。また、友達や恋人、家族とワイワイやるのも間違いなく楽しいですよね!私もそういう思い出がいくつもありますが、こうした記憶はいつまでも覚えているものです。

しかし、そんなレジャースキーも何度かやっているうちにだんだん上手くなってきます。自在に曲がれるようになったり、少しスピードを出せるようになったりすると、上達すること自体が楽しくなってきます。誰かと遊ぶ面白さではなく、スキーというスポーツ自体の面白さが見えてくるのです。雪の上を思い通りに動けるようになり、少しずつ急な斜面も滑れるようになっていく。あれができるようになった、これができるようになったと感じるようになる。スキーはとても上達が実感しやすいスポーツです。

上達すると力学的に合理的なバランスで滑れるようになり、見た目もどんどんカッコよくなっていきます。毎回毎回自分の技術が進歩しているのが分かる。さらにもっと上手くなるとゲレンデでも注目されるようになってきます。また、経験を積んでいくといろいろな理屈が分かってきます。ここがまた面白いところで、力の関係やバランス、地形や斜度、板の性能、体の動きやポジショニングなど、知識や経験の点と点が線としてつながっていきます。この上達の実感と理論的な面白さの整合性は奥が深く、多くの人たちを惹きつけ、夢中にさせるのに十分な世界なのです。

ポイントとしては、スキーは自己流で滑っているよりも、スキースクールなどのレッスンで教わった方が、格段に上達することです。家族や恋人と遊びにスキー場へ来たら、ぜひスキースクールに入ってみることをおすすめします。スクールレッスンは発見の連続ですし、何度かレッスンを受けていると、目に見えてシルエットが整っていき、美しく、力強く、そして自由になっていきます。特に何度かレッスンに参加すると、自分でも驚くほどトントン拍子に上手くなっていきます。学びのつもりで入ってみると様々な発見があり、結構面白いと思います。

特に中級者くらいになると、インストラクターが理論的にいろいろと教えてくれるので、そこがまた「なるほど!」の連続になるはずです。スキーはとても合理性があるスポーツですので、勉強を楽しむことに似て、いろいろなことが理解できるのが楽しいですし、分からないことも考えているうちに答えが見つかることも似ています。スキースクールのレッスンは、そんなスキーの面白さの入り口を教えてくれるでしょう。

スキーは学びの世界の面白さにとても似ています。理解が進んで少しずつ全体像が見えてくることも、習得や上達が自信になることも、壁があっても努力すれば必ず乗り越えられることも。学びの知的好奇心と同じ感覚がスキーには強く存在しているんですね。ですから学びが好きな人はドン!とこの世界の沼にハマると思います。適度にストイックに、適度に知的に、いいバランスで楽しめるスポーツだと思いますよ!

自分の道具をそろえてみよう!

私もスキーを始めた頃はみるみる上手くなっていく実感が面白くて、土曜日になると1人で軽井沢までレッスンを受けに行っていました。なぜ軽井沢かというと、仕事に影響しないよう、できるだけ労力をかけずにしかも安くやりたかったからです。軽井沢は東京駅から新幹線で1時間で着きますから、本当にあっという間。しかもリフト券セットのお得なプランを使えばリーズナブルに楽しめます。軽井沢なら板も預かってくれるので楽なのです。初めは2級の取得まで腰を据えてやってみようというつもりでしたが、3ヶ月ほどで取れてしまい、もっと技術を追求したいと思っているうちに今に至っています。

このように、ちょっとやってみようかなという気持ちが出てきたら、まずは道具を揃えるといいと思います。板+ブーツ+ストックと、ウェアや小物。自分の道具を揃えると、一人前のスキーヤーになった気になってきます。それに元を取るまではやろうという縛りにもなります。毎回レンタルするよりも長い目で見たらその方がはるかに得ですし、何より足にピッタリ合ったブーツは快適で性能もいい。いいブーツは足の型を取ってくれますから、痛いところもない。そしてレンタルよりも性能が高いしかっこいい。レンタルの板は初心者向けの量産品なので、性能もデザインも劣ります。やはり買った方がいいものが使えますし、いつも同じ道具で滑ると上達も早くなります。毎回レンタルする手間も時間も省けます。

ちなみにいきなり高い道具を買ってはいけません。板もブーツも高いものは硬くて重く、反発が強いので上級者でないとうまく扱えません。どんな道具がいいか、メーカーや価格帯、どの店で買うのがいいか、相談にのりますので、定例講座のときにでも声をかけてください。詳しくアドバイスします。

スキーの級別検定とは?

ちょっと上手くなったら、検定に挑戦してみるのも面白いと思います。「私をスキーに連れてって」が流行した頃、スキー1級を持っているのはとてつもないステータスで、羨望の眼差しで見られたそうですね。いまでもスキー検定は大人気。趣味を兼ねた一種の挑戦として、多くの人がチャレンジしています。級は5級からありますが、多くの人は3級あたりから受けるようです。

スキー検定は上達レベルに合わせて級が設定され、レベルアップのとてもいい指標になります。級別テストはガチすぎず、比較的気軽に受けられるものですが、指定された種目がきちんと滑れないと合格しません。3級は中級者、2級を取ったら上級者の仲間入り。もし1級まで取得できたらひとまず黒帯です。履歴書にも書けますし、今でも十分自慢できる称号です。でも上に行けば行くほど合格するのが難しくなっていき、特に1級はなかなか取れないんですね。落ちたら悔しくて、ちょっといじけたりもしますが、奮起して、もっと工夫していきます。自分の頭で考え、インストラクターや上級者からもアドバイスをもらいながら、何度も何度も試行錯誤する。そのうちに、できなかったことができるようになってくる。「ああ!これか!」っていう糸口をつかむ瞬間が来る。こんな経験が本当のスキー人生の始まりと言ってもいいかもしれません。そんな努力の積み重ねで検定を受けたり、トレーニングを重ねて上達していくんですね。

もちろん検定の合格はとても嬉しいものです。1級の場合、数十名の受験者から合格者は3名ほど。難関だからこそ、合格には価値がある。努力な末に勝ち取った合格は、本当に達成感がハンパありません。でも検定だけでなく、日々のトレーニングの中に壁や苦悩、乗り越えた時の達成感が繰り返し訪れます。嬉しいこと、悔しいこと、できないことの壁、苦しさ、考え続ける時間、技術をつかんだ時の喜び、‥‥‥大人になってこれだけ心が大きく揺さぶられることはなかなかありません。大自然の中で体全体を動かすのはもちろんのこと、頭も心も全部使い切る。急斜面に飛び込んでいく時の勇気。スピードや遠心力を全身で受け止める瞬間。まさにスキーは生きていることを実感するスポーツだと思います。やはり趣味というのは本気になるものほど面白い。ドキドキすること、命がけで没頭できることほど、全力で遊べるのですね!

本当に上手い人は理屈抜きにかっこいいものです。そういう人の滑りには、見る者を圧倒する破壊力があり、もの凄いオーラがあります。それは熟練のオーラです。膨大な経験と努力を重ねてきた証。説得力が違います。私もいつかそんな滑りができたらいいなと思います。

生涯にわたって向上を目指し続けられる世界

かつてスノーボード人口がスキー人口を上回った時期ありましたが、現在は再びスキー人口のほうが多くなりました。また、ヨーロッパでは圧倒的にスキー派が多いのが実情です。スキーの方がスピードが出ること、やれることが多いこと、統計的にも安全性が高いこともあり、スキー派が多いと考えられます。

スキーはまさに生涯スポーツで、子どもから高齢者まで楽しめます。若い人の方が筋力や可動域など、身体能力で有利な点はありますが、スキーはバランスのスポーツですので、そこをおさえておけば筋力に応じた滑り方もいろいろあり、高齢者でも上手く滑ることができるのです。何よりスキー技術には終わりがありません。1級を取ったらゲレンデの中でもかなり上手いほうになりますが、実はまだまだその先があります。実はその先に本当のエキスパートの世界があります。さらに難しく、深く、さらに楽しい世界です。

公認スキー指導者の資格を目指したり、プライズテストという、もはや「変態領域」の超高難度テストも存在します。またこの世界の上の方にはデモンストレーターがいて、その頂点には日本に20名ほどしかいないナショナルデモンストレーターが君臨しています。ここまでくると、その迫力、スピード、美しさ、オーラの全てが明らかに違います。その滑りは誰もが立ち止まって見入ってしまうほど。どんな世界も極めた人というのは「凄い」の一言しか出てきません。

私が師事している先生も現役のナショナルデモンストレーターの一人ですが、こういう神様に教わっていると、無限に学ぶ余地があることを痛感します。私なども一応スキー指導者の末席の末席を汚していますが、まだまだいくらでも上達する余地があり、言い換えればまだまだとても下手くそです。そして練習すると今もどんどん上達している実感があるのです。この先も変化し続けることができる。自分の可能性をどこまでも感じられるということは素晴らしいこと。そして大人がいつまでも成長しつづけられる世界というのはそれほど多くありません。

GSAでもスキー教室を企画!

今回は基礎スキーの世界をご紹介しましたが、なんとなくこの世界を想像できましたでしょうか。実際は私の紹介能力を遥かに超えた素晴らしさがあります。ぜひゲレンデに足を運んでほしいと思います。

もちろん他にも様々な趣味の世界があり、どれも甲乙つけ難いと思います。いまの時代、手軽な遊びはいくらでもありますが、一方で本気で打ち込めるものがないという人は少なくありません。何かいい趣味がないかな、という人にもたくさん出会います。あれこれ手を出して、自分に一番合う趣味を探している人もいますが、趣味というのは半分以上は出会いです。まずは縁があるものをやってみる、続けてみる。続けているうちにその世界の本当の面白さに気づくものだと思います。どれが一番合うかを探すより、縁を大事にしてみるというのも一つのやり方です。身近なところにその道の先達がいたらラッキーですよ!それはあなたがその世界に縁があるということですから。そしてぜひ没頭する素晴らしい時間を手にしてください。

外苑ソーシャルアカデミーは、人生を面白くする場です。勉強だけでなく、趣味の世界も支援していけるようにコンテンツを展開していきたいと考えています。趣味も勉強も、同じ人生を豊かに楽しくするためのツールですので、本来そこに境目はありませんから。

さて、外苑ソーシャルアカデミーでは、本気のスキー教室を3月に開催できたらいいなと考えています。この機会にぜひ試してみてはいかがでしょう。昼はスキーに打ち込んでみる、夜はみんなで飲み明かす!スキーはお金がかかるスポーツですが、きっと楽しいと思いますよ!今年は雪が少ないので、実施に向けてそこだけちょっと心配ですが。スキーを何年もやっていないという方も、全然上手くないという方も、スキーが初めてだという方も、ぜひ参加してみてください。一人で参加されると友達も沢山できると思いますが、もちろん友達や恋人を連れてきてもかまいませんよ!詳細は定例講座やInstagramDMなどで聞いてください。

ちなみに外苑ソーシャルアカデミーのスキー合宿では、東京都スキー連盟所属のSAJ公認スキー指導者資格を保有している本物のインストラクターがレッスンを行う予定です。通常のスキースクールは資格を持っていないイントラも沢山いるのです。有資格のインストラクターは大幅に不足しているので、特に初心者・初級者レッスンなどは残念ながらそういうことも起こってしまうのですね。ぜひGSAで通常のスクールレッスンより丁寧で本格的なレッスンを受けてみてください。そしてあなたも彼らにスキーの沼に浸けてもらってください。

指導員のみなさんは、ぜひとも本企画にご参加いただけると有難いです。この世界の楽しさを参加者の皆さんに実感していただけるように、プライベートレッスンレベルでの全力レッスンにご協力いただけると嬉しいです。もちろん完全ボランティアですが(泣)。これから先もスノースポーツの世界が継続していくために、一般の方にこの世界の本当の楽しさを広く知っていただくきっかけを私たちが作ることもとても大切なことだと考えています。ご協力、ご協賛のほど、よろしくお願いいたします。

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