過去30年間と同じ傾向が今後30年間続いた場合に起こること

こんにちは、GSA理事長の中村です。

以前、「ライトな起業」のススメという記事で副業をした方が良いという趣旨の説明をしました。

就業している会社から満足のいく収入を得ることが難しいことと、税金や社会保険料などがどんどん上がる見込みであることを理由として挙げましたが、今回はその「世知辛い時代」を数値を使ってご紹介したいと思います。

この記事は読者の皆さんのやる気を削いだり、皆さんを絶望させることが目的なのではなく、正しい打ち手を考えていただくためにまずは時代感覚を正しく理解してもらうことを目的としています。

上がらない給料と、上がり続ける税金・社会保険料

約30年前の1990年代の日本の平均年収は455万円でした。

これに対し、直近10年の平均年収は431万円で、約5%減少しました。先進国(G7)で30年間給料が上がっていないのは日本とイタリアだけです。

出典:https://www.cnn.co.jp/business/35199588-2.html

一方、税金や社会保険料など(非消費支出)は約15%から約19%へ上昇しました。

ざっくり言うと、年収500万円の人の手取りは30年前は425万円だったが、今は405万円だということです。

出典:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f32a3d1b0d3a9bb01046fa8c4c3f504a5ce85d7b

さらに、物価は約1割上昇しました。10万円のものが11万円になった、ということです。

出典:https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=PCPI&c1=JP&s=&e=

さらにさらに、消費税は3%から10%に上がりました。

(余談ですが、消費税が初めて導入されたのは34年前の1989年です。20代の若者は生まれながらに消費税があったので意外かも知れませんが、消費税が導入されたのはつい最近のことなのです。)

出典:https://www.nippon.com/ja/features/h00013/

実感が湧くように説明

上記のような説明は聞いたことがあるかも知れませんが、実感が湧かないという人のために、もう少し噛み砕いて説明してみます。

平均的な年収の人が、1年間に250万円相当の買い物をすることを考えてみると、以下のようになります。

30年前の日本人変化現在の日本人
年収455万円24万円減少431万円
税金・社保料等– 68万円15%から19%に上昇– 82万円
手取り387万円減少349万円
買い物代金(物価)– 250万円1割上昇– 275万円
消費税– 8万円3%から10%に上昇– 28万円
(税金・社保料等合計)– 76万円34万円上昇– 110万円
残金129万円減少46万円
※千円の位の数を四捨五入

不安を煽る訳ではありませんが、もしこの傾向が将来に渡って続いた場合を考えてみましょう。

30年後まで、過去と同じ幅だけ同じ傾向が続いたと仮定します。

現在の日本人変化30年後の日本人
年収431万円24万円減少407万円
税金・社会保険料等– 82万円19%から23%に上昇– 93万円
手取り349万円減少314万円
買い物代金(物価)– 275万円1割上昇– 303万円
消費税– 28万円10%から17%に上昇– 52万円
(税金・社保料等合計)– 110万円35万円上昇– 145万円
残金46万円減少-41万円
※千円の位の数を四捨五入

赤字になってしまいました。

実際には年収はここ数年上昇傾向ですし、儲からないなら儲からないなりに消費を抑えるためこの仮定はやや乱暴ではありますが、過去30年と同じ傾向が続いたと仮定して計算すると上記のような世界になるのです。

(これまた余談ですが、実際に消費税の更なる引き上げの話も出ています。)

何が原因なのか?どうすればいいのか?

上記の問題を事象として捉えたとき、話は非常にシンプルです。要は、収入が上がらず、税金等を含む支出が増えることが問題なのです。

しかし、原因分析は非常に厄介です。

例えば収入が上がらないことについては、企業が賃金を上げようとしないからとか、労働生産性が低いからとか、ステップアップ型転職が少ないからとか、色々な説が言われています。

税金等を含む支出が増えることについても、少子高齢化が進むからとか、政治家が無能だからとか、財務省の省利省略だとか、これまた色々な説が言われています。

この厄介な話に踏み込んでいくと壮大な森の中に入っていくことになるので別の機会に解説したいと思いますが、興味がある人は「日本 給料 上がらない理由」とか「税金 なぜ上がる」などでGoogle検索してみてください。

ではどうすればいいのか。

これは私の意見ですが、「さっさと、自分自身を含む家族や友人などの身近な人と幸せに暮らせるようになり、その過程で培った実力で社会を変えるために動こう」ということに尽きます。

暗い未来を想像させてしまう記事だったかも知れませんが、冒頭記載したように、読者の皆さんのやる気を削いだり、皆さんを絶望させることが目的なのではなく、正しい打ち手を考えていただくために時代感覚を正しく理解してもらうことを目的に記載してみました。

皆さんが力強く未来を切り拓かれることを祈っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました