イギリス最大の市場 ロンドンの台所 バラマーケットを歩いてみよう

イギリスを訪れる際、やはりロンドンに滞在される方がとても多いですよね。ロンドンはニューヨーク、東京と並ぶ大都市ですが、バッキンガム宮殿やビッグベンをはじめとする定番の観光スポットが沢山あります。しかし、せっかくイギリスを訪れるのであれば、観光ばかりではちょっと物足りない。もう少し地元に踏み込みたいという気持ちにもなる方も沢山いらっしゃると思います。土地を知ることはやはり旅の醍醐味です。

GSAでは旅や留学における異文化理解を追求していますが、食に興味を持ちながら土地の文化を理解するという方法もとても重要なアプローチだと考えています。特に大きな市場には様々な食材が集まり、多くの人々で賑わうため、食文化や国民性を理解するのにとても効率的です。美味しいものがあまりないと「誤解」されることも多いイギリスですが、ここではイギリスを理解するのにうってつけな市場、ロンドンの「バラマーケット」をご紹介します。

ロンドンの築地市場 バラマーケット

バラマーケット(Borough Market )はイギリス最大の食品市場で、1000年を超える歴史をもっています。ロンドンのほぼ中心部にあり、有名なロンドン橋の近くに位置しています。こちらはロンドン橋の上からタワーブリッジ方面を撮ってみた景色です。

Boroughとは市や行政区といった意味で、バラマーケットはもともと卸売市場としての役割を果たしていました。現在は市民の買い物や観光客も訪れる小売店が中心になっています。イギリス国内はもとより、全世界から食品が集まってきていますが、やはりイギリス国民の食生活を反映しており、興味深い食材が沢山そろっています。

Fruits and vegetables  果物と野菜

バラマーケットでまず目を引くのはいわゆる八百屋さんです。特に色とりどりの果物が並ぶ姿は壮観で、見ているだけであれもこれも食べてみたくなるのではないでしょうか。イギリスを代表する果物であるリンゴはもちろん、イチジクや白桃、柑橘類や洋梨、プラムやチェリーなど、豊富なフルーツが並んでいます。

チェリーなどは赤黒いアメリカンチェリーはもちろん、日本の佐藤錦に似たもの(しかも粒がとても大きい)まであり、味も引けをとりません。桃はやや小ぶりで平たいフラットピーチや黄桃がそろっています。フラットピーチは日本の白桃とほとんど同じ味ですが、とても安く買うことができます。イチジクも種類が豊富で、緑色のものから黒いものまであり、日本では見られない品種が沢山あります。

果物はホテル滞在の人でも試しやすい食材です。ぜひ買ってみてはどうでしょうか。

Cheese and Delicatessen チーズと加工肉専門店

バラマーケットの中にはチーズの専門店や生ハムやソーセージを扱っているデリカテッセンがあり、多くのロンドン市民が訪れます。これらの食品は普通のスーパーマーケットでも売っていますが、やはりバラマーケットのものは品質が一段上。せっかくですから少し買ってみてはどうでしょう。

イギリスはEUから離脱しましたが、フランスとはトンネルで結ばれており、沢山の食品が運ばれてきます。そのため、チーズや生ハムの値段は日本で買うよりだいぶ安いのです。いま、円とポンドのレートは円がかなり不利なうえ、ロンドンのインフレも進んでいますが、それでもチーズなどは日本より安く買えます。日本だと一個3500円のチーズが、イギリスでは2000円ほど。もちろんイギリス特産のスティルトンやチェダーも置いてあります。夕食のあと、ホテルの部屋でワインをちょっと飲む時にいかがでしょうか。

Fish Market  魚屋

イギリスのスーパーマーケットにはあまり多くの種類の魚が置いてないのが普通です。しかしバラマーケットには様々な魚が売っており、日本では見たことがない種類の魚もいりいろと置いてあります。

こちらはヒラメの仲間ですが、日本のヒラメにはない模様がありますね。また、丸ごとのアンコウやヨーロッパシーバス、そのほか日本の魚屋さんではお目にかかれない未知の魚も並んでいます。

バラマーケットはイギリスでは貴重な豊富な種類の魚がそろっている場所です。さすがに魚はキッチンがないと料理のしようがありませんが、見ているだけでも楽しいと思います。寮生活の留学生の方や現地に駐在の方々は、ぜひ料理して味を確かめてみてください。

Jam & Compote   ジャム・コンポート専門店

イギリスでは庭に果樹を植えている家が多く、冷涼で乾燥した気候から、放っておいてもリンゴやプラムなどがたわわに実ります。イギリス人たちはこの果物を生のまま食べるほか、ジャムやコンポートにして保存する習慣があります。

そんな文化から、これらのプリザーブ(保存加工した果物)と呼ばれる果物も人気で、バラマーケットでは専門店があるほどです。パンにのせたりヨーグルトやアイスクリームに添えたり、使い道はいろいろ。プリザーブは少々重いですが、保存が効くためお土産にも良いのではないでしょうか。

Tableware 食器

バラマーケットでは食品ばかりでなく、食器のお店もあります。イギリスは茶器が有名ですが、こうしたお皿もとてもおしゃれでかわいいものがそろっています。

台所用品はロンドンにいくつもありますが、バラマーケットには掘り出し物もあるかもしれません。持ち帰るには重いですし破損しないよう厳重に梱包する手間もかかります。でも、お皿との出会いは一期一会。本当に気に入ったものと出会ったときは、運搬の手間も覚悟して買うのもいいかもしれないですね。

ロンドンの台所バラマーケット、いかがでしょうか。ここには紹介していませんが、ほかにもスパイスの専門店やパン屋さん、テイクアウトのお店など、いろいろなお店が軒を連ねています。特にスパイスについては、大英帝国時代に世界中からスパイスを集めただけあって、品揃えが半端ではありません。バラマーケットは築地ほど規模は大きくありません。じっくりと見て回っても2時間ほどでしょうか。その意味ではちょうどいい規模かもしれません。ロンドンにおいでの際は、ぜひ一度訪れてみてください。

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Borough Market 

地下鉄ロンドンブリッジ駅から徒歩3分。またはモニュメント駅から徒歩7分ほど。

SE1 9AL London, England

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