イギリスの可愛らしい村「古い街並みが変わらずに残っている山村 コッツウォルズ カッスル・クーム」

こんにちは。GSAの山田です。今回はイギリスを訪れる方々のために、ぜひ訪れてみてほしいとても可愛らしい村をご紹介します。

イギリスは、街と自然がとても良く調和した国で、それがイギリスという国が美しい理由の一つでもあります。あの大都市ロンドンでさえ、西洋建築の街並みの中に、ハイドパークやリージェンツパーツのような大きな公園があり、リスやハリネズミ、水鳥などの動物が沢山生息しています。オックスフォードにも公立公園をはじめ、大学の敷地や遊歩道などに多くの緑が残り、住宅にも必ず庭がついているため、緑がとても身近に存在しています。国土全体に貴族の私有地や牧草地が広がり、多くの緑が古い建築物やコテージと調和しています。

この意味で圧倒的な人気を誇るのが、コッツウォルズ地方です。イギリスの観光地のなかでも、エディンバラや湖水地方と比べて圧倒的にロンドンに近く、ロンドン発の1日バスツアーもあり、皆さんがイギリスを訪れた際に訪れやすい場所でもあります。オックスフォードよりさらに西側に広がるこの広大なカントリーサイドには、大小様々な街や村と、広い森や牧草地が広がっており、築数百年になる古いコテージとありのままの自然が見事に調和しています。もちろん観光地としても人気ですが、イギリスの人々のなかには、いつかコッツウォルズで老後を過ごしたいと願う人たちも沢山います。ここには都会のように刺激的なものは何もありませんありのままの自然と先人たちの残した街並みがある、静かで穏やかな地域です。

昔の姿を伝える村 カッスル・クーム

コッツウォルズ地方にある数々の村の中でも、特に昔の姿を今もよく残している村として有名なのが、カッスル・クームという山あいの小さな村です。村の中には旧領主の屋敷だったと思われるマナーハウスがあり、いまはホテルになっています。また、メインストリートの両側には石造りの古い住宅が並び、鱒の泳ぐ美しい小川が街中を流れています。

特に夏は美しい花も咲き誇り、お伽話に出てくるような、本当に美しい、そして可愛らしい村の姿を見ることができます。村の住宅は、すべてライムストーンと呼ばれる凝灰岩でできており、歴史を経て飴色の深い色合いを醸しており、このアースカラーが森の緑と調和しています。この統一のとれた家屋の色彩から、コッツウォルズ地方の村は「蜂蜜色の村」とよばれています。派手さはまったくありませんが、この落ち着いた風合いがとても魅力的なのです。

イギリスの村の共通の形

こちらは昔のカッスル・クームの様子を再現したもので、教会内に展示されていた写真です。かつてはこの村も上流階級から農民まで、様々な人が暮らしていたのでしょう。カッスルクームにあるマナー・ハウスと立ち並ぶ古い住宅は、貴族と領民の住まいです。イギリスは国土の多くが私有地で、今も昔も貴族が所有しています。貴族たちは昔のように権力を独占しているわけではありませんが、この領地相続の仕組みだけは今も残っており、その賛否はさまざまあるものの、結果として美しい自然を保存してきたという一面があります。この平等が常識の時代に、先進国の筆頭と言っても過言ではないイギリスが、いまだに貴族の世襲を続けているというのは、逆に異彩を放っていると言っていいでしょう。オックスフォードにいると、大学の中でも古いしきたりが沢山残っているのを度々目にします。イギリスの知的階級が文化や伝統を守ることをいかに重視しているかがよく分かります。これもイギリスの美しさを作っている一要素にほかなりません。

カッスルクームの中心部には小さな古い教会があります。古い外壁や苔むしたお墓があり、この小さな村における人々の営みが想像されるでしょう。教会は中をのぞくことも可能なので、足を踏み入れてください。日曜日にはこの場で礼拝が行われています。

教会の向かいにはパブが一軒。イギリスではどんなに小さな村にも、必ずパブが一軒存在しています。カッスル・クームは30分もあれば見て回れるほど小さな村ですが、やはりイギリスの村に必要な三種の神器がすべてそろっているのです。

古い家屋から分かること

村の中心部からメインストリートを下っていくと、道の両側に石造りの家屋が立ち並びます。とても古い街並みですが、今も人が暮らしている現役の生活の場です。最寄りの街からはバスで30分ほどかかりますので、買い物や交通の便はかなり悪いですが、それが逆に昔の姿を残したのでしょう。昼は観光客が歩いていますが、夜はとても静かな時間が流れます。

メインストリートを下っていくと、やがて川沿いの道に出ます。この辺りの家屋では、扉の大きさに注目してみてください。扉が小さく、特に高さがないのが分かります。これは数百年前のイギリスの人々の身長が低かったことを意味しているのです。

日本でも時代によって平均身長は大きく変化してきましたが、今は大柄な人の多いイギリス人も、その昔はこの扉で出入りできるくらい小さかったことが想像できます。こんなところからも昔の形がよく保存されていることが分かるのです。

カッスル・クームへの行き方 ・注意点

カッスルクームには最寄りの街であるチッペナム駅(Chippenham)からバスが出ています。しかしその本数はかなり少なく、平日は5本、土曜日は3本、日曜日にはバスが出ていません(2024年6月時点)。ネット上の乗換案内などを使い、あらかじめ時刻表をよく確認してからいくようにしましょう。

また、村の中にはパブとレストランがありますが、お店はほとんどなく、買い物などはあまりできません。食事をする場合も、帰りのバスの時刻をよく確認してからレストランに入ることをおすすめします。また、帰り際にチッペナムの街を散策してみるのも良いかもしれません。

カッスルクームも昔はとても静かな村でしたが、最近は観光客も増えてきました。オーバーツーリズムが世界各地で問題になっていますが、この村では生活をしている方々も沢山いらっしゃいます。騒いだり、家を覗き込んだりすることは厳禁です。ましてや窓から家の中を撮影するなどということは絶対にあってはなりません。あくまでも訪れさせていただいていることを忘れずに、いつまでもこの村を気持ちよく訪れることができるよう、配慮してくださいね!

コッツウォルズ地方には他にも美しい村が沢山あります。概ね交通の便が悪く、一つの村を見るのも30分から1時間もあれば十分な場所も多いと思います。ロンドンから日本語対応のバスツアーも出ていますので、効率よく回るにはそれも選択肢です。私はオックスフォードでドライバーを雇って、一日かけてあちこちの村をめぐったことがありますが、沢山の村を巡ることができてとても充実していました。ただしこちらは完全に英語対応のみになります。

ぜひイギリスのカントリーサイドの景色を楽しんでください。こうした村でアフタヌーンティーをするのも最高ですよ。

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